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よくある質問集
Frequently Asked Questions御社のリン酸鉄リチウムイオンバッテリーの購入を検討していますが、鉛バッテリーとの比較資料がなく困っています!特に「直並列接続の可否」「直並列接続時の容量」について、御社製品の「秘密」もあると思いますが、差支えのない範囲で教えていただけると幸いです!
よくある質問に、「なぜリン酸鉄リチウムには、充放電容量の上限値
があるのか?」「鉛バッテリーは、並列接続により充放電容量を増やす
ことができるのに」というものがあります!
こんな質問を受けるたびに「そんなことはありません」と回答
するのですが、きっと大きな誤解、誤認識をみなさまお持ち
であると感じます!
鉛バッテリーは、確かに柔軟な充放電特性を持っていますが、
これは、リン酸鉄リチウムには「BMS」(バランス・マネジメント
・システム)という充放電制御基板を内蔵させているためであり、
特別に鉛バッテリーだけが「柔軟な性質」を持っている訳では
ありません!
ソーラー蓄電上級者の方々は、MPPT制御コントローラーの
上位機種の設定項目をご存じのはずですが、これら機種には、
イコライゼーション充電(セル電圧バランス均等化充電機能)
設定ができるようになっています!
これがまさしく、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーに内蔵
されている「充電側」の機能ですが、鉛バッテリーの場合は、
充電最終段階で、このイコライゼーション充電を行い、セル間
の電圧を調えます!
「シールド型」「AGM」等の密閉型バッテリーには必要のない
設定項目ではありますが、非密閉式のEBバッテリーには必須の
機能です!
※非密閉型、電解液補充型の鉛バッテリーは、電極が大型、肉厚
の構造を持つために内部抵抗が高く、大容量充放電時にはセル間の
電圧バランスが崩れるため、劣化状況に応じた、時には15V以上の
均等過充電を必要とします。
話を元に戻しましょう!
そこで、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーでは、最終段階で
セルバランスを調えるのではなく、初期充電中にも電圧を監視し
ながらセルバランスを調整してしまおうという考え方で設計
させているのです!
最後に以下のとおり充放電容量の適正値をご紹介しておきます!
(鉛シールドバッテリー)※12V定格、115Ahを基準にしています。
すべて、メーカーの期待寿命の上限値となりますので、これ以上の
充放電は、バッテリーの劣化を早めることを承知して使用している
ということになります。(その意味で「柔軟」と表現しています)
1、単体充放電容量(1,380Wh:12V) 1/10C=138W
2、2並列充放電容量(2,760Wh:12V) 1/12C=230W
3、2直列充放電容量(2,760Wh:24V) 1/11C=250W
4、2直2並列充放電容量(5,520Wh:24V) 1/13C=425W
5、3並列充放電容量(4,140Wh:12V) 1/13C=318W
6、4並列充放電容量(5,520Wh:12V) 1/15C=368W
7、4直2並列充放電容量(11,040Wh:48V) 1/16C=690W
8、2直4並列充放電容量(11,040Wh:24V) 1/20C=552W
見てびっくりのはずですが、あくまでもメーカーの公称
する期待寿命どおり(サイクル回数)を全うさせるための
数値であり、鉛バッテリーの持つ「柔軟さ」を活かして、
みなさんは上記数値を大きく超える使い方をしていること
を理解いただければOKです!
また、バッテリーの「並列接続」とは、接続しているバッテリー
の電位差があれば、お互いに充電し合うので、サイクル回数は
必然的に減ることもお分かりと思います!
では、以下リン酸鉄リチウムの実力を解説します!
(リン酸鉄リチウムイオンバッテリー)※25.6V、80Ahを基準にします。
1、単体充放電容量(2,048Wh:25.6V) 1/4C=512W
2、2並列充放電容量(4,096Wh:25.6V) 1/3C=1,365W
3、3並列充放電容量(6,144Wh:25.6V) 1/3C=2,048W(単体1C上限)
4、4並列充放電容量(8,192Wh:25.6V) 1/4C=2,048W(単体1C上限)
ご覧のとおり、並列接続を増やしても、単体のBMS仕様値が上限
となりますので、最大2,048Wがインバーターを接続できる出力値
となります!
サイクル回数「2,000回以上」、その時の容量維持率「70%」を
上記出力まで使用できる(柔軟性に関係なく)ということなのです!